万博おばあちゃんと大阪観光局理事長 溝畑宏(ミャクひろし) が巡る 世代を繋ぐ、世界を繋ぐ、“アメリカパビリオン”

―美しきアメリカ、未来にできることは何かを想像する旅へ―

2005年の「愛・地球博」に185日間すべて通い、“万博おばあちゃん”として知られる山田外美代さんと元観光庁長官として日本の観光戦略を牽引し、現在は大阪観光局理事長として大阪の観光と魅力発信を担う溝畑宏(ミャクひろし)さん。
連日大人気で、長い行列ができる“アメリカパビリオン”。訪れる人々は、展示を通じてアメリカの最先端技術や文化に触れながら、わくわくするような未来を体験・体感します。5つのテーマに沿った展示が展開され、未来へのヒントがあちこちに散りばめられています。

案内人の紹介

山田外美代さん

「万博おばあちゃん」こと山田外美代さんは、2005年の愛・地球博をきっかけに万博の魅力に惹かれ、以来世界各国の万博を訪れ明るく親しみやすい人柄で、万博の魅力を多くの人に伝えている。

溝畑宏さん

2015年から大阪観光局理事長として、2025年大阪・関西万博を見据えた観光戦略を推進。大阪を「アジアNo.1の国際観光文化都市」とするべく、都市・経済・文化の政策を総合的に展開している。

LEDの渓谷を抜けて、未来と出会う旅へ出発!

2棟の三角形の建物の壁に設置された巨大なLEDスクリーンには、アメリカの雄大な自然や名所が映し出され、まるで映像の渓谷に挟まれているよう。その間にはライトアップされた不思議なキューブが宙に浮かぶ。まるで時空を超える入口のような存在感のこのキューブの中には一体何があるのだろう…?
とワクワクした気持ちと期待とともに、“未来と出会う旅”へ出発します!

つながりが生む、未来。アメリカパビリオンが贈るメッセージ

アメリカパビリオンの「つながり」をテーマにした展示エリアでは、アメリカの学術・文化・娯楽分野の専門プログラムに参加した人たちのリアルな体験を映像を通して紹介しています。
それぞれの物語が来場者に語りかけ、彼らの目の輝きや言葉からは、未来に向かう熱意と希望がまっすぐに伝わってきます。

エリアの中腹で目に飛び込んでくる鮮やかなネオンサイン──

“IMAGINE WHAT WE CAN CREATE TOGETHER(共に創出できることを想像しよう)”

まるで映画のワンシーンのような印象的な演出で、アメリカパビリオンが一番伝えたいメッセージが浮かびあがってきます。未来をよりよくしたいと願う、すべての人へのエールのようにも感じます。

万博おばあちゃんの下の息子さんがアメリカ・デイビスで生物研究で4年間住んでいたそう。
「国や文化の違いを超えて、何かを生み出す可能性にあふれる未来あるアメリカには親しみがあり、思い入れもあります」と話してくれました。

“つながり”から始まる未来の可能性を私たちに語りかけてくれる展示です。

「トゥギャザー」、未来へ響くイノベーション

星の形をした公式キャラクター「スパーク」と、全米46州から集まった若き「ユースアンバサダー」が元気いっぱいに来場者を出迎えてくれる「イノベーション」の展示エリアへ。

スパークの澄んだ歌声に合わせて、最先端の農業技術やナノテクノロジーなど、アメリカの革新的な挑戦を映像と一緒に楽しく紹介してくれます。

ホスピタリティあふれるアンバサダーが観客と掛けあい、さらに盛り上がります!
繰り返し出るキーワードの「トゥギャザー」が心地よい歌を一緒に口ずさみながら、“ひとりじゃない未来はみんなで一緒に創っていくんだ”という想いで空間が一体になります。
優しくも強くも感じる歌声が心に響くよう。

旅するように体感するアメリカ──映像が誘うバーチャル旅

「旅」がテーマの展示ゾーンでは、アメリカ各地の美しい風景や文化を映像でめぐる、没入感あふれるバーチャル旅行が楽しめます。

アメリカの全ての州と領土の魅力を詰め込んだ映像は、自然の雄大さから都市のにぎわいまで多彩。

なかでもニューヨークのシーンの自由の女神が静かに立つ姿と、大リーグで活躍する大谷翔平選手のホームランシーンが印象的!
打球が空へ舞い上がる瞬間、時が止まるようなドラマティックな演出に思わず「ウォー!」と胸が高鳴ります。

アポロからアルテミスへ繋ぐ未来「宇宙へ共に。」

「宇宙」をテーマにした展示ゾーンは、過去・現在・未来をつなぐスケールの大きな空間。
ここでは、かつて人類が月に降り立ったアポロ計画から、今まさに進行中のアルテミス計画まで、アメリカの宇宙開発の歩みを体感することができます。

展示の中でも目を引くのが、NASAの次世代ロケット「SLS(スペースローンチシステム)」の模型。模型を目の前にすると、子どものころに抱いた宇宙への憧れやワクワク感がよみがえります。

現在のアルテミス計画は、アメリカだけではなく、日本を含む複数の国々や民間企業が協力しながら進める、“共創”型の宇宙探査計画です。
アメリカだけの挑戦ではなく、「共に創出できることを想像しよう」というパビリオン全体のテーマを象徴する空間となっています。

国境を越えて、世代を超えて、地球から宇宙へ一緒に歩む未来を描く──そんな想像力をかきたてられます。

宇宙への没入体験と月の石が語る未来

パビリオンの最後を飾る展示「打ち上げ:月へ そしてその先へ」は、まるで宇宙へ旅するロケットに乗船したかのような没入体験が味わえる空間。

天井から床まで覆う大型LEDに囲まれた空間へ入ると、打ち上げまでのカウントダウンが始まります。

映像・音・照明が一体となり、本当に宇宙へ飛び立つような臨場感に圧倒されます。

旅は月をめぐり、やがて銀河系へ──。

視覚と感覚を通して宇宙探査のスケールと夢を全身で感じ、まさに宇宙飛行士になったかのような感覚に。このワクワク感はぜひ現場で体験してみてください。

展示の締めくくりは「月の石」が静かに佇むゾーンへ。1970年に万博で展示された石とは異なる月の石は、宇宙飛行士の背中の後ろでそっと宇宙のロマンを語り掛けてきます。

宇宙旅の締めくくりは、オリジナルグッズとアメリカの味で。

アメリカパビリオンの旅を終えたら、最後に立ち寄りたいのがオリジナルグッズが並ぶショップとレストラン。案内役を務めてくれた公式キャラクター「スパーク」のグッズをはじめ、ここでしか手に入らないアイテムが揃っています。
澄んだ声で案内してくれたスパークのメロディーは、パビリオンから出るころには口ずさんでしまうほど印象的で、その魅力のとりこに。

本場のアメリカを味わえる「アストロパークレストラン」

「アストロパーク」の名のとおり、宇宙をテーマにしたメニューが並ぶアメリカパビリオンのレストラン。アポロをはじめ、クエーサー星、オーロラなどユニークな名前が付けられた料理が楽しめます。

万博おばあちゃんが注文したのは、隕石の名前が付いた「メテオライト・ロッキーロードブラウニー」。
マシュマロとくるみが入ったチョコレートチャンクのブラウニーの上に、さっぱりとした甘みのあるバニラソフトクリームが乗ったサンデーです。
「普段は旦那さんと一緒にコーヒーを頼むことが多くて、ソフトクリームはなかなか食べられなかったんです。だから今日は特別!」
と笑顔の万博おばあちゃん。
暑い日に冷たいソフトクリーム、やっぱり最高ですね!

他には公式キャラクターの名前がついた「スパーク・バーガー」も!バンズにはスパークの焼印が押されています。

まとめ

ショップで購入したアメリカパビリオン限定の帽子を被ってパシャリ

万博おばあちゃん
1970年当時の“月の石”はきらきら輝いて見えていたけど、月はいつか行ける場所だと思ってみていました。
今改めて見ると、「人類ってすごいんだなぁ」としみじみ感じます。
月にかぐや姫がいるといった“おとぎ話”ではなく、“現実”として人類は月に辿り着く力があるのが伝わってきましたし、宇宙のスケールと人類の挑戦、そして“スパーク”!星の力を感じる特別なひとときとなりました。

ミャクひろし
展示全体を通して“イマジネーションの力”を感じました。
アメリカの強さはやはり自由さにあると感じましたし、まさしく「トゥギャザー」!この「トゥギャザー」が象徴的で、みんなで考え、作り上げていくテーマがとても良い!
多民族国家だからこそ、さまざまな視点が集まり、豊かなクリエイティブが生まれる。それがアメリカの底力だと実感しますね。


1970年の大阪万博での「月の石」が大きな話題となり、多くの日本人が初めて“宇宙”というものを身近に感じました。それは、宇宙がただの夢や物語ではなく、「人類が実際に到達した現実の場所」として、多くの心に深く刻まれた瞬間でもあります。

「世代を繋ぎ、世界を繋ぎ、地球と宇宙を繋ぐ展示」ということを感じ、「未来に向けて一緒にできることは何か」を考えるきっかけになるアメリカパビリオンでした。

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