What are ninja ?
忍者とは?
What are ninja ?
音もなく、
臭いもなく、
智名なく、
勇名もなし。
その功
天地造化の如し
「 萬川集海 」より
忍者は主に戦国時代(15世紀ころ)に
活躍していました。
しかし、当時は「忍者」とは
呼ばれていません。
「忍びの者」、地方では「草(くさ)」
「乱波(らっぱ)」など、
様々な名前で呼ばれていました。
物音を立てたり匂いに
気を付けるだけでなく、
名を挙げて有名になったり、
目立つことすらも戒めています。
しかし、忍者が行うことは、天地を創り上げるような大きなことをしているのだ、
という誇りを持って仕事をしていました。
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正心
私欲や道を外れた暴君のために
忍術を行えば盗賊と同じ。
常に仁義忠信の心を持たなければなりません。 -
生きて生きて生き抜く
主君に対して「忠」の心があれば、
敵をだますことも恥ではありません。
忠義を果たすとは、
恥を忍んでも逃げ帰って
敵の情報を伝えることにあります。
死んでしまったら忍びは職務を
全うしたことになりません。
情報を得て、極力戦闘は避け、
生き延びて戻ってくることが必要でした。
忍者の資質十条
The Ten Qualities of a Ninja
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一
忠勇謀功信の五つがあって、心身健康な者
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ニ
平素柔和で、義理に厚く、欲が少なく、理学を好み、行いが正しく、恩を忘れない者
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三
弁舌に優れて智謀に富み、会話も理解し、人の言う理に乗じて欺かれることを嫌う者
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四
天命を知って儒仏の理を兼ね備え、欲望から離れ、先哲の言葉をよく理解している者
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五
武士の規範を知り、古武士の忠勇心を持ち、
義を重んじ主君に代わって命を差し出すことができる者 -
六
人と諍論することを好まず、柔和だが威厳を持って義理堅く、表裏のない善人である者
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七
妻子、親族がみな正しい心を持っていて、反り忍の害が出ない者
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八
諸国を廻って諸所の国ぶりをよく知っている者
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九
忍術をよく学び、謀計に敏感で、文才があって書をよくし、
忍術になれていて軍利に志が厚い者 -
十
諸芸に通じていて、詩文、謡、舞、小唄、拍子、物まね等の遊芸に至るまで、
時宜にかなって使うことができる者
九字護身法
Kuji Self-Defense Techniques
忍者が術を使う時に印を結ぶイメージがありますが、それは本来結界を結び、邪気を払うためのものでした。
「臨兵闘者皆陳列在前」の九字を唱えながら印を結ぶことによって、
重要な任務を行う前に精神を集中させ自己暗示をかけていたと考えられます。
任務
Ninja Duty
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諜報活動
敵国の状況を知らせること。情報は、戦力や戦術に関することから、財政状況、庶民の様子など多岐に渡り、ありとあらゆる情報を自国へ持って帰りました。
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戦闘参加
敵国への侵入、放火、破壊、夜討、 待ち伏せを行いました。
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情報網の構築
敵国に忍び込んで、その土地に馴染みながら情報を集めるだけでなく、その土地で人間関係を築いて、いざと言う時に活用できる独自の情報網を作り上げていました。
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策略
忍者たちは信頼を得るために忍び込んだところで情報を得るための策略を用いていました。
- ・悪口は言わない
- ・どんな話でも聞く
- ・相手の家族に付け届けをする
- ・相手に合わせて、嫌いなものも好きなふりをする
忍び装束
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頭巾
2mほどの布を頭に巻いていました。顔を隠すためのほか、ロープや包帯の代わりすることもありました。
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上着
武具を隠したりしました。頭巾を取れば普通の農民のような服装になります。
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手甲
手を守る手袋のようなもの。棒手裏剣を隠すこともあります。
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袴
腿に余裕があり、裾を絞った動きやすいズボン。
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脚絆
脛を守る。時には棒手裏剣を隠し持つこともあります
忍び六具
Shinobi's six tools
遠方へ出かける際の基本的な持ち物
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編み笠
顔を隠すために使いました。
内側に矢などを隠していることもあります。 -
石筆
石の上にも書くことができる、ろうや粘土で出来た筆記具。
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三尺手ぬぐい
1mくらいの手ぬぐい。覆面や包帯の代わりなど様々な用途に使います。
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鉤縄
鉤形の金具に麻縄を付けたもの。鉤を引っ掛けて石垣を登ったり、敵を縛ったりします。
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打ち竹
中に火種を入れて持ち歩く。蝋燭に火を点けたり、敵地で放火する時に使われました。
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薬
毒薬、解毒剤、傷薬など。
武器
Ninja Weapons
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手裏剣
刃先が短く殺傷率は高くないため、
刃に毒を塗ったりしました。 -
棒手裏剣
深く刺さるので殺傷力は高いですが、
扱いが難しいです。 -
忍者刀
武士のものよりも短く下げ緒が長く、
塀を乗り越えたり、
敵を縛ったりしました。 -
苦無
両刃のナイフで、
戦闘以外でも穴を掘ったり、
縄を切ったりなどに使用する
万能ナイフです。
七方出(変装術)
Shichihode (Ninja's seven disguises)
旅をしていても怪しまれない職業に変装して情報収集を行います。
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商人
商品を売り歩きながら旅をする行商人。
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出家
僧侶のこと。お経を唱え、托鉢を行いながら旅をしました。
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虚無僧
禅宗の僧。深編笠を被っているので顔が隠せました。
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山伏
諸国を旅をしながら修行をしていました。
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常の方
農民や町人など普通の姿で、地域に溶け込みました。
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放下師
手品、曲芸、猿回しなど芸を見せる人。敵を油断させました。
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猿楽師
能など歌舞音曲を披露しながら旅をしていました。大名に呼ばれることもあり、屋敷内の情報を得ることが出来ました。
忍術
Ninjutsu
忍びに必要なのは、戦闘ではありません。
頭脳を使い、人の心を操り、
情報を集め、無事に自国へ帰って
伝達することです。
そのために様々な忍術が考案されました。
忍術は誰にでも使えるものではない。
修行を積んだ者だけに
与えられた力なのです。
遁術
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木遁
材木を倒して
逃げる時間を稼ぎます。 -
金遁
撒きびしや
お金を蒔いて逃げます。 -
土遁
相手に土や砂を投げつけ、
ひるんだ隙に逃げます。 -
水遁
水に潜って逃げる。石を投げ込んで
水に飛び込んだようにみせて逃げます。 -
火遁
火をつけて、
相手が混乱したすきに逃げます。
伝達術
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狼煙
狼煙:狼の煙とかいて“のろし”と読みます。
狼の糞を火薬に混ぜ、遠くからでも見える、まっすぐな煙を上げて緊急を知らせました。 -
隠語
仲間だけにしかわからない言葉を使って、
忍者だとわからないように会話をしました。 -
五色米
米を白青赤黄黒に染めて仲間だけにわかる
暗号や目印として使っていました。 -
忍者文字
仲間だけにしかわからない文字を使って文を書いていました。
「忍びイロハ」はとくに有名です。
その他、建物に忍び込むための「侵入術」、身を隠すための「隠形術」などを駆使していました。
忍術修行
Ninjutsu training
任務を遂行させるためには身体・精神ともに強靭さが求められた。
日ごろから鍛錬を欠かさず行い、五感を研ぎ澄ましていました。
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嗅覚
火縄の匂いに気づき、夜中でも敵が近づいていることを察知できるようにします。
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聴覚
聴覚を鋭敏にするために、静かに座ってその後ろで針を落として集中力を養ったりします。
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味覚
人の通る道の土をなめてみるとしょっぱいなど、わずかな味の違いを感じ取る能力を養います。
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視覚
暗いところに籠ってものを見る鍛錬をします。その他、足跡や土の状況、草木の色、鳥の跳ぶ様子などから様々な情報を得ます。
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呼吸法
忍者の呼吸法は、二重息吹(ふたえいぶき)、逆腹式呼吸、息長(おきなが)が代表的です。
二重息吹は持久力を高め、息長では集中力とリラックス効果が得られます。呼気が1分にもおよぶ呼吸です。
くノ一法
女性は「女」の漢字をばらして「くノ一(くのいち)」と呼ばれました。
男性では入り込めない屋敷などに女中として潜入して諜報活動を行いました。