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しっとんか大阪

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2 -渡来する文化の光と闇

2024.02.13

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INTRODUCTION

堺はかつて「黄金の日日」と謳われたこともあるほど、巨大な勢力を持つ港町だった。しかし、その痕跡はどこにあるのか?南海堺駅に降り立ったときは、その気配を感じ取れないかもしれない。それもそのはず、駅の辺りはかつて海で、埋め立てられ出来た土地なのだ。当時の海岸線、そして港はもっと内陸にあった。

この旅では港町・堺の黄金時代の物語を探しに行こう。堺を舞台に活躍したユニークな偉人たち、知的遊戯を愉しんだ茶の湯、そして輝かしい繁栄の裏に隠された、光が当たらない物語も見えてくるかもしれない。

03|ザビエル公園

駅からここまで歩いてきた道のりは、かつて海だった。このザビエル公園に示された海岸線より内陸が、当時の堺の街である。階段状の護岸を昇り、周りを見渡してほしい。高低差があるのがわかるだろうか。

南蛮船が日本にもたらしたものは、器だけではない。キリスト教もだ。宣教師・フランシスコ・ザビエルは、布教を続ける中で堺に立ち寄り、この地にあった商人の屋敷に滞在した。商人はキリスト教の洗礼を受け、瓦葺の建物を聖堂にした。そこで日本で初めてクリスマスが行われたという説もある。

キリスト教のミサでは、同じ杯のぶどう酒を回し飲み、飲むたびに口を付けた部分を布で拭うという儀式があった。実はこの儀式、茶道に通ずるところがある。自分が飲んだ茶器を服紗で拭い、隣へと渡す。茶道も元をたどれば、文化や宗教が混ざりあったミクスチャー文化。私たちの想像を遥かに超える、自由でロックなカルチャーなのかもしれない。

04|鉄砲のモニュメント

ポルトガルから日本に伝来したもののひとつに、鉄砲がある。種子島に漂着したポルトガル人が持っていた2丁の鉄砲。そのうちの一丁を堺の商人が買い付けしたことで、鉄砲が量産されることになった。しかしなぜ、堺で鉄砲を量産することができたのだろうか。公園内にあるモニュメントを見ながら、その歴史を紐解いていこう。

歴史は古墳時代にまで遡る。堺には、古墳を造る高い技術を持つ職人がいた。その職人たちは次第に鉄や銅を使って金属製品を鋳造する技術を持ち、技術者集団となった。堺に鉄砲が伝わると、分解してパーツごとに職人を置き、鉄砲をつくった。鉄を鋳造する技術と分業生産の仕組みがあったおかげで、初めて見た鉄砲でさえも大量生産を可能にした。こうして堺は日本一の鉄砲の生産地になった。

貿易港として繁栄した、堺の黄金の日日。しかし、それが本当に素晴らしい日日だったかというと、そうとは言い切れない。富の多くは鉄砲からもたらされ、堺の商人は武器で財を成した「死の商人」としての顔も持っていた。人を殺める武器には、恨みがつきまとう。街の周囲を濠で守り固めたのは、他から干渉を受けないためだけではなく、自分の身は自分で守る必要があったからなのかもしれない。

※このガイドは、取材や資料に基づいて作っていますが、ぼくたち ON THE TRIP の解釈も含まれています。専門家により諸説が異なる場合がありますが、真実は自らの旅で発見してください。

※掲載情報は2024年2月時点のものです。掲載店舗・施設に関する最新の営業時間は各店舗・施設のHPなどでご確認ください。

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