万博記念公園に来たら寄ってって!国立民族学博物館で世界旅行気分を楽しむ
2024.03.21
1970年に開催された日本万国博覧会(以下、大阪万博)の跡地に建つ国立民族学博物館(以下、民博)は、世界最大級の民族学・文化人類学の研究施設と博物館を備えた施設として1974年に創設。1977年から一般公開が開始されました。創設50周年イヤーとなる2024年は記念事業や企画展など、民俗学ファンにとって見逃せない特別イベントが次々と予定されています。今回は常設展示を中心とした民博の見どころを紹介します。
ココが見どころ!
・世界各国の民族や地域文化の奥深さが学べる
・言葉や音楽に特化した展示も見どころ
・建築家・黒川紀章氏の設計による建物や中庭は必見
民博では「世界の民族文化に優劣はなく、すべて等しい価値をもつ」という認識にもとづいて展示をつくり上げ、人類の営みにおける豊かな多様性を示す活動を行ってきました。収蔵資料は約34万5千点の標本資料、約70万冊の図書・雑誌・マイクロ資料・CD- ROMもの点数を誇り、そのうち約1万2000点が常設展示されています。
展示内容は地域展示と通文化展示から成り立っています。地域展示では、日本の文化を世界各地の文化との関連の中で理解できるよう、世界をオセアニア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、それに日本を含むアジア各地域で区分。オセアニアから東回りに世界を一周し、日本にたどり着くように構成されています。衣食住などの生活用品を中心に展示し、世界の人々の暮らしを知ることができるようになっています。
アメリカの展示では、南米・北米の衣・食・宗教に焦点をあて、多様性と歴史の相関関係を紹介。土着の資源に現代的価値を見いだそうとする芸術家や工芸家の取り組みも紹介します。
アフリカの展示では、この時代に現地で暮らす人々の営みを「歴史を掘り起こす」「都市に集う」「働く」「装う」「祈る」という5つの側面から紹介。アフリカ大陸における文化や言語の多様性、変化の動きを見ることができます。
アジアコーナーでは、熱帯・亜熱帯の気候が広がる東南アジア、インドを中心に多様な文化・宗教が共存する南アジア、ユーラシア大陸の北東部を占める中央・北アジア、ユダヤ教やキリスト教発祥の地で、現在は多くのムスリムが暮らす西アジア、中国・韓国を含む東アジアなど、多岐にわたる展示が展開され、膨大な数の資料を見ることができます。
私たちが暮らす日本についても「祭りと芸能」「日々のくらし」「沖縄のくらし」「多みんぞくニホン」という4つの切り口による展示が行われ、大漁旗やこけし、漆塗りの工芸品など多様な地域文化の中で育まれてきた品々を見ることができます。
通文化展示では、地域ではなくジャンルを特定して世界の民族文化を通覧する展示が行われ、現在は音楽と言語についての展示を常設しています。2010年から言語展示場に設置されている「ことばスタンプ」は、36種類の音のスタンプをテーブルに押し付けるとさまざまな音が発せられるインタラクティブ展示。ひらがななど日本語の音の成り立ちを学ぶことができ、さまざまな音を作って楽しめます。
世界各地の太鼓、ゴング、チャルメラ、ギターなどを通して、音楽と地域文化の関わりを紹介しています。フィリピン・ルソン島の少数民族の中で伝承されてきたゴングや、1960年代に北米の日系人がワイン樽から作った和太鼓など、時代や国を越えて集められた楽器の数々は、見ているだけで胸が高鳴ります。
中庭に設けられた「未来の遺跡」は、初代館長・梅棹忠夫氏がコンセプトを立案し、建物と同じく建築家の黒川紀章氏が設計を担当。中に入ることはできませんが、古代神殿を想起させる石造りの意匠は圧倒的な迫力を醸しだしています。
半世紀にわたり人類の地域文化を伝えてきた民博。世界各地から集められた多くの展示品は、見て回るうちに異国情緒を呼び起こし、いつの間にか海外旅行をしているかのような気分が味わえます。世界各国の地域文化や民族の暮らしを学びたい、古代史に興味があるといった人であれば、1日中居ても楽しめる施設となっています。
営業時間:10:00〜17:00
定休日:水(水曜日が祝日の場合は直後の平日)
料金:一般 580円、大学生 250円、高校生以下無料
電話番号:06-6876-2151
ACCESS
電車の場合 大阪モノレール 万博記念公園駅を下車。万博記念公園入口から徒歩15分
出典:国立民族学博物館(https://www.minpaku.ac.jp/ )
※掲載情報は2024年3月時点のものです。掲載店舗・施設に関する最新の営業時間は各店舗・施設のHPなどでご確認ください。