歩いて笑って2倍楽しむ!なにわの落語で街歩き 0

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かつて道頓堀や天満にいくつもあった落語の寄席小屋は時代と共に姿を消しました。が、上方落語の灯は消えてはいません!大阪市内の寺で、神社で、小さなホールで、落語家たちは話芸を磨き、ファンの輪を広げています。大阪天満宮のお膝元に待望の落語の定席「天満天神繁盛亭」が、2006年秋にオープン。上方落語に登場する大阪の名所を巡って想像力を膨らませ、至近距離の寄席で生の話芸を堪能する。笑えば脳にもいい刺激。これぞ「通」の楽しみ方です。
*写真は、第144回TORII寄席 「桂米朝師匠と曾孫弟子たち」

JR天満駅よりスタート

  • 徒歩1分

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1. 天満市場と『千両みかん』

まずは上方落語を語る上で欠かせない場所・天満へ。というのも2006年秋、大阪天満宮の北門すぐの場所に待望の落語の定席・天満天神繁盛亭がオープン。お笑いの灯が天神さんのお膝元でいよいよ復活するからだ。では早速、そんな天満界隈の落語の舞台をご紹介。江戸時代、天下の台所と呼ばれた大坂(明治以前は大「坂」)では、堂島の米市場、雑喉場(ざこば)の魚市場、そして天満の青物市場の三大市場が大賑わい。落語『千両みかん』には天満の天神さんからまっすぐ南、天満・赤物市場が登場する。「赤物」というのは野菜の「青物」に対し、果物のことを指す。戦前は果物屋さんを赤物屋さんとも呼んでいたとか。JR天満駅裏にある天満市場は数年前に建て替えられ、高層ビルの一部となったが、いまも近隣の買い物客で賑わっている。

『千両みかん』暑い夏のこと。ある大店の若旦那が病気になった。その原因を聞いてみると「ふっくらと色艶のいい、柔らかな......みかんが食べたい!」とのこと。呆れた番頭どんが「探してきますがな!」とあちこち駆け回ってみたものの、暑い季節のこと、どこにもあれへん。最後の頼みで訪ねた天満の赤物市場でみかん問屋に1つだけ「あったがな!」しかし、店の主人に「ひとつ千両や」と言われてしまう。はてさて番頭どんはいかに......。


外部サイト 

  • 徒歩5分

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2. 大阪くらしの今昔館(住まいのミュージアム)

大阪天満宮や天満市場から徒歩すぐの天神橋筋商店街は全長2キロの買い物ロード。居並ぶ店々をウォッチングしながら天神橋筋6丁目交差点まで歩くと、「大阪くらしの今昔館」が入ったビルがある。館内では江戸時代から明治・大正・昭和にかけての近代大阪の町をユニークな展示で紹介。なかでも1830年代の大坂の町を約1100平方メートルの空間に再現したフロアはまるで時代劇のセット! 呉服屋、小間物屋、唐物屋、細い路地を抜けると裏長屋が続き、落語でお馴染みの「丼池の甚兵衛はん」や「丁稚の貞吉」「長屋の清やん」などが出てきそう......。薬屋さんの座敷では若手落語家による『町家寄席』も開かれる(不定期)。 


  一般 ¥600, 高・大生 ¥300※中学生以下、障害者、市内居住の65歳以上の方は無料(証明書要提示)※特別展開催期間中は別料金。
06-6242-1170

外部サイト 

  • JR大阪駅&地下鉄谷町線 谷町九丁目駅から徒歩3分

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3. 高津宮(こうづぐう)と『高津の富』

天満界隈から地下鉄谷町線に乗り、谷町九丁目駅で下車。5分ほど歩くと仁徳天皇がひらいた難波高津宮ゆかりの神社・高津宮に到着する。いまは静かなたたずまいで近隣の人たちの憩いの場だが、昔々はこの境内で富くじが開かれて、ささやかな幸せを願う庶民でたいそう盛り上がっていたそうな。その高津宮にはこんな噺も......。

『高津の富』 
舞台は大阪・大川町の宿屋。自分は大金持ちだとホラばかり吹いているが、実は全財産が一分しかない男がいた。その男、宿の亭主に頼まれ、なけなしの一分で高津の富くじを一枚買った。どうせ当たる訳はないからと亭主に「当たったら半分はお前にやるぞ」と約束して、翌日、高津神社へ。「子の千三百六十五番、子の千三百六十五番......」と張り出してある当たりくじの番号を見て行くと「な、な、なんと! 千両の大当たり!」。さあ、ここからが大変......

高津宮(こうづぐう)は古典落語『高津の富』の他、『高倉狐』『祟徳院』にも登場。昔のように人が集まって賑やかな文化の中心になるべく、境内では毎月「高津宮亭・くろもん寄席」を開催。プロの新作落語作りの集団による新撰落語「もぎた亭」、社会人落落語家集団主催の「ことほぎ寄席」「落語グループいちご会」などの落語会も定期的に開かれ、落語ファンに人気が高い。2005年に他界した桂文枝師匠の記念碑も境内に建立されている。


 06-6762-1122(受付時間:9時~16時30分)
外部サイト  


  • 地下鉄 谷町線 谷町九丁目駅から徒歩3分

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4. 生國魂神社

高津宮から徒歩数分の生國魂神社、通称「いくたまさん」は、神武天皇が九州から大阪に上陸した折、国土の神様である生島神(いくしまのかみ)と足島神(たるしまのかみ)を祀ったのが始まり。境内にはこの地で芸を披露していたという上方落語の祖・米沢彦八の記念碑がある。毎年9月、上方落語家の面々が一堂に会して「彦八まつり」を開催。お馴染みの落語家さんが屋台を出したり、歌ったり、踊ったりと贅沢な趣向のファン感謝デーだ。


06-6771-0002

  • 地下鉄 谷町線 四天王寺夕陽丘駅から徒歩4分

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5. 一心寺と『天神山』

高津宮から再び地下鉄谷町線に乗り、四天王寺夕陽ケ丘前で降りて徒歩7分。アートのような斬新なデザインの建物や阿吽像が目を引く一心寺の開基は文治元年(1185年)。大坂冬・夏の陣では徳川家康の本陣となった寺で歴史が深い。遺骨で作る阿弥陀仏・骨仏でも知られ、お参りの人が多い。そういえば落語『天神山』でもしゃれこうべ(骸骨)が登場する。

『天神山』 源助という変わった男、「世間が花を見て一杯飲むなら、わしは墓見て一杯飲んだる」と天神山の一心寺へやってきた。若い娘の墓の前で飲んで、傍にあったしゃれこうべを拾って帰ったその夜、源助の家に美しい娘がやってきて「お嫁さんにしてください」。その話を聞いたとなりの保兵衛がわしも女房が欲しい、と一心寺に出かけて行くが......


06-6771-0444
外部サイト 


  • 地下鉄 千日前線12分 日本橋

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6. 日本橋(にっぽんばし)と『宿屋の仇討ち』

そろそろ一日も締めくくり。一心寺から地下鉄谷町線、千日前線と乗換えて、やってきたのは日本橋。いまは電気屋街や黒門市場、国立文楽劇場がほど近く、道行く人も多種多様だが、江戸時代は旅の出発点。左右に旅籠がずらりと連なり、知らぬ同志も袖擦りあった。こんな噺もあるようで。
『宿屋の仇討ち』
 大阪・日本橋の宿屋に泊まったある侍は、静かな部屋を、と注文したが、あとから来た兵庫の3人連れが芸者を挙げて大騒ぎ。相撲の話、色事の話で盛り上がり、果ては3人のなかの源兵衛いわく「八年前に高槻で小柳彦九郎という侍の妻と間男し、その女と義弟を殺して金を奪ったのはこの自分」と他人の話をさも自分のことのように自慢したからさあ大変! それを聞いた隣室の侍「その小柳彦九郎こそ拙者のこと。おのれ明日、日本橋で3人まとめて首を斬るぞ!」「ひぇ~!!」......

  • 徒歩7分

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7. TORII HALL(トリイホール)

毎月一日はTORII(トリイ)寄席!"生の落語とお囃子が聞ける幸せ。落語ゆかりの地をめぐる旅、しめくくりはやっぱり落語会!日本橋から徒歩7分ほどのTORII HALL は1991年から毎月一日(ついたち)にTORII(トリイ)寄席を開催。桂小米朝の企画による、若手も大看板も入り混じっての公演はバラエティーに富んでいて見応え&聞き応え充分。ミナミのビルの真ん中で地道に育まれている大阪の古典芸能。客席数が100というこじんまりとした空間だけに、マイクを通さず、生の落語とお囃子を聞けるのがなによりの醍醐味だ。お疲れ気味のOLやサラリーマン、落語のビギナーも、笑って笑ってストレスを吹っ飛ばそう!


06-6211-2506
外部サイト 


追加情報

立ち寄りスポット:南天満公園の天満の子守唄碑へぜひ立ち寄ってください。
味わいスポット:なにわに伝わる伝統野菜をつかう八百屋の飯屋「びわとも」をおすすめ。
お土産: 生國魂神社では、7月11日・12日いくたま夏祭(子供神輿や獅子舞い・枕太鼓、渡御祭など)、8月11日・12日は、大阪薪能も開催される。